突発性難聴の原因や発症様式など



突発性難聴はほとんどの場合一側ですが、両側に起こることも絶対にないとは言い切れません。 まったく健康な方がある日突然発症する可能性があります。糖尿病などの基礎疾患がある人に発症率が高く、治りにくいというデータもあります。 発症に関して性別差はなくあらゆる年齢層の方に発症しますが、10歳以下の小児では稀です。症状として耳鳴やめまいを伴うことがあります。 風邪を引いた後や、引いている最中に起こりやすいという報告もあります。

昔からある疾患ですが、残念ながら未だに確かな原因はわかっていません。
何らかの原因により内耳の中の音を感じる神経細胞が障害を受けて発症します。
これまでの様々な臨床研究から原因として推測されているのは


1)ウィルス感染
2)内耳に血流をもたらす血管の血栓
3)内耳に血流をもたらず血管の収縮・狭窄    などです。


 ウィルス感染も、内耳の血管を障害する可能性があるので、1)2)3)いずれも直接の病態としては、内耳への血液の流れが悪くなった状態、つまり「内耳の血流障害」が考えられます。
 今のところウィルス感染が最も有力な説ですが、原因となるウィルスが見つかっているわけでもなく、 ウィルス感染だけでは説明できないような発症のしかたをする患者さんもいらっしゃいます。 もしかすると、上の1)2)3)いずれもあり得て、それぞれの原因は違うけれども「急に耳が聞こえなくなる」と言う症状の観点からは同じのため、 われわれ人間が勝手に「突発性難聴」として一つの疾患にして考えているのかもしれません。

 「ウィルス感染だって!? どこでウィルス拾ったんだ!?」と思う方もいるかもしれまん。 でも、普通の風邪もウィルスが原因ですし、そもそも人間の体にはウィルスが住んでいます。 ちょうど、地球を利用してわれわれ生物が生活しているように、ウィルスもわれわれの体を上手に利用して生きています。 ところが、われわれの方の体調が悪かったりして抵抗力が下がると、普段はおとなしくしているウィルスが、突然悪いことをし始める・・ということもあります。 もしかすると、元々体の中にいたウィルスが、突然活動し始めて発症するのかもしれません。


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